2025.10.24「生きている」乳酸菌と向き合う日々。まろやかで奥深い発酵乳(ヨーグルト)のおいしさのヒミツ 【茅野工場 製造二課長インタビュー】

こんにちは!やつみです。

「牛乳のプロに聞く!」シリーズということで、今日は八ヶ岳乳業茅野工場製造二課、「発酵乳」製造の現場で活躍する課長の山田淳一さんに、八ヶ岳乳業の「発酵乳」ができるまでのお話を聞きました。

 

やつみ:「発酵乳(はっこうにゅう)」って、そもそも何ですか?

山田さん:「発酵乳」とは、乳に乳酸菌を入れて発酵させたものを指します。大きな意味では乳酸菌飲料なども含まれますが、当社で製造しているのはいわゆる「ヨーグルト」です。70gの小さなカップに入ったものと、400g~10㎏(業務用)といった大きな容器のヨーグルト、2種類の製造ラインがあります。

小さいカップのヨーグルトは食べきりサイズだから、デザートやおやつに1人1個食べられるイメージの商品。大きい容器のヨーグルトは、器に取り分けてジャムなどをのせたり、フルーツにかけたり。おなじヨーグルトですが、食べられるシーンはさまざまです。

八ヶ岳乳業のヨーグルトのラインナップ

 

やつみ:なるほど。ヨーグルトにもいろんな食べ方があるんですね!そんなヨーグルトは、どのようにして製品になっているんですか?

山田さん:ヨーグルトの主な材料は生乳ですが、小さいカップ(70g)のものだと、食べやすいように砂糖や寒天、脱脂粉乳などを入れ、味をととのえているものや、季節フレーバーのヨーグルトには果汁なんかも入れています。大きいカップ(400g)のものは、砂糖などを加えたタイプのものもありますし、100%生乳だけのものもあります。あらかじめ生乳と原材料を混ぜて「ミックス」にしてから、それぞれの方法で殺菌処理をします。


※生乳と材料を混ぜた液体を「ミックス」と呼んでいます。

 

やつみ:ヨーグルトも、「殺菌」するんですか?

山田さん:乳酸菌が増えることで乳を発酵させるのがヨーグルトなのですが、そのチカラを最大に発揮できるよう、乳酸菌を入れる前にしっかり殺菌しておくんです。

「殺菌」は、乳等命令*で決められている重要なポイントで、大きいカップのヨーグルトは、ミックスの入ったタンクごと、90℃以上で15分間殺菌します。小さいカップのヨーグルトは、熱した「プレート」の間にミックスを通すことで、殺菌します。こちらは92℃以上7秒間です。

そのあと43℃くらいまで冷やして、乳酸菌を投入します。この温度管理が、とても大事なんです。

*乳等命令とは:食品衛生法に基づき、牛乳や乳製品、これらを主要原料とする食品の成分規格、表示方法、製造基準などを定めた命令です。

ただいま高温で殺菌中。

やつみ:殺菌して、冷やしてから、乳酸菌を入れるんですね。

山田さん:そうです。温度が高いと乳酸菌も生きていられないので、乳酸菌が一番増えやすい43℃くらいまで冷まします。乳酸菌と言いましたが、製造現場では「スターター」と呼んでいます。乳酸菌はたいていフリーズドライや冷凍など「菌が眠っている状態」で保管しているので、脱脂粉乳溶液と混ぜるなど「起こした状態(スターター)」にして、ミックスに投入します。乳酸菌にもいろいろ種類があって、なめらかさ、酸味の強さ、発酵スピードなどが違います。商品によって使い分けているので、商品ごとにスターターも異なります。


「スターター」の入ったタンク(180Kg)。中で乳酸菌が出番を待っています。

 

冷ましたミックスにスターターを入れ、5分ほど混ぜ合わせたあと、充填機によってそれぞれの容器に充填します。

乳酸菌を入れたミックスをカップに充填します。

やつみ:動画見てビックリしました!ヨーグルトにしてカップに入れるんじゃなくて、カップに入れてからヨーグルトにする(発酵させる)んですね。

山田さん:ミックスをタンクで発酵させてから容器に詰める「前発酵」というやり方と、容器に詰めてから発酵させる「後発酵」というやり方があります。

ドリンクタイプや果肉入りの「とろっとした」ヨーグルトは「前発酵」、容器の中でぷるんと固まっているヨーグルトは「後発酵」でつくられます。八ヶ岳乳業のヨーグルトは、「後発酵」でつくっています。

ミックスに乳酸菌を混ぜたらそのまま容器に充填し、賞味期限が印字されたフタをします。小さいカップのものはこの時点で3つセットにしてトレイに入れ、シュリンク(フィルムを容器に密着させる工程)まで施します。


充填、包装されて流れてくる商品の中身はまだ発酵していません!

 

それから43℃前後の部屋に移動し、3~5時間寝かせて発酵させます。時間をおいて発酵し終わった頃に、酸度や組織など、さまざまな項目の検査をして、合格したら冷却し、発酵を止めます。そうして、冷やしたまま出荷となります。

出荷時には、乳酸菌の数は1ミリ㍑に1,000万個以上に増えているんですよ。


乳酸菌にちょうどいい温度(43℃±2℃)の部屋で発酵中。

やつみ:製品を作る上で気をつけていること、苦労していることはどんなことですか?

山田さん:決められた規格から少しでも外れたら、バッチ(製造するタンク単位)まるごと廃棄になってしまうので、「温度」と「時間」には特に気を使っていますね。

乳酸菌(スターター)は、乳と混ぜた瞬間から発酵が始まるので、温度も時間もしっかりはかります。目指した数値にいかないとき、たとえば酸味の上昇が良くない場合はもう少し時間をおこうとか、固さが足らない場合はもう少し冷やしてみようとか、そのへんの調整をする判断がいつも難しいと感じています。季節や気候によっても状態が変わるんです。菌は、「生き物」なので。

発酵が完了したら、今度は急冷室で7℃まで冷やして発酵を止めます!

 

やつみ:「菌は生き物」・・・なるほど!!だから徹底した温度や時間の管理が重要なんですね!

やつみ:ヨーグルトの「新商品」って、どうやってできるんですか?やつみ、フルーツのヨーグルトもおいしくて大好きです!

山田さん:月に一回、開発チームで会議をして、若手社員やお客様の声、季節に合わせた素材などを吟味して、何度も試作したうえで決めるんです。2025年秋冬発売の八ヶ岳ヨーグルト「洋なし」は、「秋のフレーバー」ということで、「みかん」と競って「洋なし」になったんですよ。

お客様に手に取っていただけるかなど不安もありますが、何度も試作をしておいしいヨーグルトに仕上がっているので、ぜひ食べていただきたいですね。

やつみ:山田さんが「やりがい」を感じるのは、どんな時ですか?また、おすすめの商品はありますか?

山田さん:普段はお客様と直接接する仕事ではないですが、お客様からのメッセージが製造の部署にフィードバックされることがあります。「おいしいです」や「ありがとうございます」のようなお声をいただくと、「よーし、がんばろう!」と思います。

特に、八ヶ岳高原ヨーグルトは八ヶ岳近辺の酪農家の生乳を限定して使っているので、味も風味も特別おいしいと思います。

プレーンのヨーグルトは生乳100%だから、牛乳のおいしさがそのままヨーグルトになっていて、私もイチ押しです。ぜひ毎日召し上がってください!!

やつみ:山田さんのほんわか温かくて優しい笑顔が、八ヶ岳ヨーグルトをおいしく発酵させるのかも!?と思いました!

今日はありがとうございました!

 

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